【劇場留学】『モモ』と音楽の旅の記録 その6 稽古4
更新日:2026.3/14(土)
小田原三の丸ホールが、市民とプロのアーティストと一緒に劇場作品をつくる【劇場留学】シリーズ第三弾!
2025年3月に上演した「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」の上演から、大胆なリクリエイションで再びミヒャエル・エンデの『モモ』に挑戦します。
"旅の記録"その6では、3回目の週末の稽古模様をお届けします。
劇場留学ではお馴染みとなった[楽屋ばなし]も必見!
| 留学日 | 2026年2月14日(土) 2026年2月15日(日) |
| レポート | 2/14(土):森田百合花(小田原三の丸ホール) 2/15(日):小林臣人(小田原三の丸ホール) |
2月14日(土)
午前中は、これまでの踊りの総復習からスタート!
久しぶりに踊る曲もありますが、プレ稽古のときから稽古を重ねている踊りの振付けは覚えていて、さすがです!
しかし、振付の木原浩太さんからは、細かい振付けの追加や変更があり、ただ覚えている通りに踊るだけではなく、「ここは笑顔で」「もっと浮かれた感じ」「表情も振付けの1つ」と、お芝居の中の踊りであることを意識するような言葉がありました。
木原さんから「やりすぎていたら、ちょっと抑えるように言うので、やりすぎなぐらいやって覚えていくこと」とお話も。
これはお芝居も同じで、どう演じたいか・踊りたいか、どうつくっていくかが大事で、稽古を確認の時間にしてはいけないと、演出家の川口さんからも同様の指摘がありました。
午後はお芝居の稽古です。
一人ひとりに割り当てられた生き物を、その動物の動きや泣き声で表現し、何の生き物なのか見ている人たちに当ててもらいます。他の生き物とコミュニケーションを取るのもOKです。
自分が演じている生き物を当ててもらう必要があるので、相手に伝わるように表現しなくてはなりません。
どうしても当ててもらえない場合は、見ているスタッフに表現の助言をもらいつつ挑戦しました(助言する私たちは、責任重大なので緊張しました)。
さらには、生き物の気持ちになり、人間への不満を動物語(でたらめ語)で叫びながらデモ行進をしました。そう、「モモ」に出てくるデモのシーンの稽古です!
最後には、動物語を日本語に変えてデモをすると、「そんな不満を抱えていたんだね」などの感想もありました。
その後は”演じる”感覚をつかんだまま、実際の役でデモの場面の稽古をしました。
とってもかっこいいシーンになっているので注目です。
稽古の最後には、模擬裁判をしました。これも「モモ」に出てくるBLW/553/cを裁く(裁かれる)シーンの稽古に繋がります。
議長や被告人など、実際の配役に準じて行いますが、内容は「桃太郎」で被告は鬼。
事前に決めたのはたったそれだけです。なぜ鬼が裁かれるのか、裁こうとしているのかということから、皆それぞれ裁判のお芝居を進めていきます。
途中で検察官や証人の話が食い違ってしまったり、桃太郎の家来であるキジが証人として出てきたと思ったら、キジじゃなくてサギ(詐欺)だったという展開まで!
白熱しながらも終始笑いの絶えない状況でしたが、途中で諦めたりせず集中して1時間も続行しました!
ちなみに、最後は裁判員による全員一致の判決で、鬼は無罪となりました。
昨年度の劇場留学生に稽古場に来てもらい、稽古を見学&交流デーです。
久々の再会もあれば、はじめましての方々も。
稽古を見られること、今年はどんな風につくっているのか稽古を見ることが互いにとって刺激になっていたら嬉しいです。
2月15日(日)
稽古の始まりは、その日の「番頭さん」が考えたストレッチからスタート。
続いては、3人1組で行う「チーズバーガーゲーム」。ルールは、3人組でじゃんけんをし「グー=ハンバーグ」「チョキ=チーズ」「パー=バンズ」と役を決め、3人別々の手が揃えば「チーズバーガー」が1つ完成となり、制限時間内にどれだけ多くのチーズバーガーを作れるかというゲームです。参加者同士の距離も縮まり、稽古場に活気が生まれました。
演出の川口智子さんからは「私がこのシーンの動きを決めることが少なければ少ないほど、いい」という言葉が。これは、演出家に指示された通りに動くのではなく、自分で考えて自分で反応する「自発的な反応」が見えるほど演劇は面白くなる、という意図が込められています。
お昼休憩のあとは、インドネシアの合唱「ケチャ」で午後の幕が開きました。何十人もの人間が輪になり「チャッ、チャッ」とリズムを刻むケチャを、ここにいるメンバー全員で体験。グループごとに異なるリズムを刻むので高い集中力と、一体感を養います。
休憩を挟んで行われたのは、第10章の「ト書き」*を読み解く稽古です。
ト書き*を注意深く読み解き、みんなで話し合いながら演じることで、物語への理解を深めていきました。
稽古の終盤には第2部の通し稽古を行い、川口さんから1人ひとりへアドバイスが送られました。
最後は振付の木原浩太さん、振付助手の林田海里さんからダンスの修正ポイントを教わり、全員で復習してこの日の稽古は終了。
『モモ』の世界の解像度が上がっていくのを感じる、非常に濃密な一日となりました。
*ト書き…台本に書いてあるセリフ以外に、登場人物の動作や行動を指示する部分のこと
楽屋ばなし
楽屋ばなし
松村はぐみさん
楽しいです。
――どういうところが楽しいですか?
遊びとかがあって楽しいです。
――印象に残っている遊びはありますか?
台詞いいながらやるドッヂボール!
――今回、はぐみちゃんは最年少で、色んな年代の人たちがいるけど、どんな感じでみんなのお稽古見ている?
すごいなって思ってみている。
――今日の稽古で記憶に残っていることありますか。自分がやったことでも、誰かがやっていたことでも。
すみちゃんが二コラをがんばってたのがすごいと思えた。
――「モモ」の本番に向けての意気込みはありますか?
とにかくがんばりたい。台詞をがんばりたい。
――でもちゃんと台詞覚えてるもんね。いっぱい練習した?
うん!
――お家でもいっぱい練習した?お姉ちゃん(松村芽依さん)とも一緒に練習してるの?
うん!
――じゃあ、引き続き頑張ってください!
はい!
松村はぐみ(まつむら・はぐみ)
ボイトレのレッスンに通っています
歌を歌うことがすきです
aikoさんの歌がすきです
いつかたくさんの人の前で歌ってみたいと思っていました
ワークショップに参加した時に、次回の『モモ』が音楽の旅ときいて、絶対参加したい!と思いました
歌ったり、踊ったり、観に来てくれた人に楽しんでもらえるように、がんばります!
撮影:竹田浩幸
楽屋ばなし
土屋雄貴さん
――今の心境はどうですか?
ちょっとだけ肩の荷がおりました。自分が演じるフージーさんの台詞を覚えることが山場だったので。
――とりあえず台詞は入ったかなということで、やっと稽古が始まりますね。
はい。ここからがスタートだと思います。
――改めて、どうして「劇場留学」に参加しようと思ったんですか?
「はじめての劇場留学ワークショップ」に参加したこともそうですし、自分にとって『モモ』そのものが、エンデが書いた大事な作品だったので、そこがドンピシャでした。
――なるほど。実際にやってみてどうですか?
読んだだけでは分からない奥行きや深さなど、毎回発見があって新鮮です。本当にいい経験をさせてもらっているなと思っています。
――つっちーにとって、お芝居をやるってどんな感じですか?
自分を抑え込むというか、自分を我慢することが美徳だと長い間思っていたところがあるので、そこを外していいんだと背中を押してもらっている感じがします。自分のこれからの人生にとっても、大事なことを学ばせてもらっていると思います。
――子どもたちが稽古場にいることはどうですか?
エネルギーがすごいです。でも本来は自分もこうだったんだよなって思いつつ、見ていて良いエネルギーをもらっています。疲れるけど(笑)
――最後に意気込みをお願いします。
まずは自分が楽しむことを大事にして、それによってお客さんに何か持って帰ってもらえるようなものを与えたいです。まだ時間があるので、その中で自分が出せるものを精一杯表現できるよう、1回1回の稽古を大切ににやっていきたいです。
土屋雄貴(つちや・ゆうき)
志望動機は、①六月に行われた「劇場留学ワークショップ」で、年齢や性別の違う人と一緒にゲームやダンスで身体を動かし、演劇の魅力に触れたこと。
②エンデの「成熟とは“子ども”であること」という言葉と出合い、成果や時間への執着から解放され、“遊び”の精神を取り戻したいと思ったこと。
仲間と過ごす本番までの「1時間1分1秒」を味わいながら舞台を楽しみたいです。
撮影:竹田浩幸
チケット好評発売中!
「劇場留学〜『モモ』と音楽の旅〜」
開催日時:2026年3月27日(金)19:00、28日(土)14:00/18:00、30日(日)14:00
会場:小田原三の丸ホール 小ホール
脚本・演出・美術:川口智子
振付:木原浩太
音楽:鈴木光介
出演:尾倉ケント、栗原沙也加、木原浩太、高橋牧、公募出演者 約22名
✏︎ 2025-2026年「劇場留学〜『モモ』と音楽の旅〜」留学の記録はこちら!
【劇場留学】『モモ』と音楽の旅の記録 その1 説明会&読み合せ
【劇場留学】『モモ』と音楽の旅の記録 その2 プレ稽古
【劇場留学】『モモ』と音楽の旅の記録 その3 稽古1
【劇場留学】『モモ』と音楽の旅の記録 その4 稽古2
【劇場留学】『モモ』と音楽の旅の記録 その5 稽古3
【劇場留学】『モモ』と音楽の旅の記録 その6 稽古4
✏︎ 2024-2025年「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」留学の記録はこちら!
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その1 説明会
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その2 本読み
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その3 プレ稽古1
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その4 プレ稽古2
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その5 稽古1
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その6 稽古2
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その7 稽古3
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その8 稽古4
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その9 稽古5
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その10 稽古6
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その11 稽古7
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その12 稽古8
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その13 稽古9
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その14 稽古10
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その15 稽古11
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その16 場当たり
【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その17 照明仕込み
✏︎ 2023年「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」留学の記録はこちら!
「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」ガイド役の映画監督・北川未来さんによる映像と、演劇事業のサポートスタッフの経験もあり斎藤明仁さん(大学院生)によるテキストによる記録です!
【劇場留学】8月21日(月) 留学1日目の記録/【劇場留学】8月22日(火) 留学2日目の記録/【劇場留学】8月23日(水) 留学3日目の記録/【劇場留学】8月24日(木) 留学4日目の記録/【劇場留学】8月25日(金) 留学5日目の記録/【劇場留学】8月26日(土)留学6日目の記録/【劇場留学】8月27日(日)留学7日目の記録
✏︎2023年「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」小田原でのしらべの記録
<しらべの旅 1日目 日記 担当:川口智子さん>
【劇場留学】しらべの旅 1日目(1/3)/【劇場留学】しらべの旅 1日目(2/3)/【劇場留学】しらべの旅 1日目(3/3)
<しらべの旅 2日目 日記 担当:せせらぎさん>
【劇場留学】しらべの旅 2日目(1/2)/【劇場留学】しらべの旅 2日目(2/2)
<しらべの旅 3日目 担当:川口智子さん>
【劇場留学】しらべの旅 3日目 (1/3)/【劇場留学】しらべの旅 3日目 (2/3) /【劇場留学】しらべの旅 3日目 (3/3)
<しらべの旅 4日目 担当:川口智子さん>
【劇場留学】しらべの旅 4日目 (1/2)/【劇場留学】しらべの旅 4日目 (2/2)