【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その1 説明会

更新日:2024.10/9(水)

 2023年夏に開催した「三の丸ホールの夏休み『劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜』」(2023.8/21〜27)に続く【劇場留学】第二弾は、ミヒャエル・エンデ「モモ」を公募出演者&プロの劇場スタッフと共に創作・上演する「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」。2025年3月28日(金)-30日(日)の本番までの旅の記録を、小田原三の丸ホールスタッフや共に作品を制作する演出家・ダンサー・俳優がお伝えしていきます。
 初回の旅の記録は、2024年夏に行ったオーディションを経て選ばれた、約25名の公募出演者が初めて集まった<説明会>の模様をレポート。

留学日 2024年9月26日(木)
留学先 三の丸ホール スタジオ
参加者 ・<劇場留学生> 公募出演者
・川口智子(演出家/「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」脚本・演出・美術)
・市民ホール事業係 スタッフ
レポート 森田百合花(市民ホール事業係)
 いよいよ、公募出演者がはじめて集まる日です。誰がいるんだろう? 今日は何をするんだろう? という緊張感を出演者から感じながら、待ちに待った「劇場留学~『モモ』と時間の旅~」が始まりました!
 はじめに、「劇場留学~『モモ』と時間の旅~」は小田原三の丸ホールの文化事業のひとつであり、昨年(2023年)の夏に実施した「劇場留学~お芝居をつくる7日間~」をパワーアップしてお芝居をつくる企画であることや、来年3月末の本番までのスケジュール、稽古場所や連絡方法などについて私から説明をしました。
 脚本・演出・美術を担当する川口智子さんからは、本番までの6カ月間を見据えて、どんなことに気を付けたら良いか、体調管理のことなど、ご自身の市民や子どもたちとの創作経験を踏まえて、ときにユーモアを交えながらお話しいただきました。
 前列に座っていた子どもたちともコミュニケーションを取りながら(昨年の「劇場留学」参加者もいたこともあり、子どもたちからも既に大人気の川口さん!)お話される様子に、少しずつ緊張もほどけてきたのか、自然と笑顔で聞いてくれる参加者もたくさんいました。

前列に座った子どもたちと大人たちが向き合いご挨拶

 また、事業の現場で“ハラスメント”が起きないようにどうしたらよいか、それでも起こってしまった時や困った時の相談方法や、出演するにあたって取り交わす書類の確認など、大事なお話もしました。
 今回の<説明会>から含めるとかなり長丁場になる創作現場では、大変なこと、楽しいこと……様々なことがあると思いますが、出演者、スタッフ、周りにいる人とお互いを助け合える環境をしっかり整え、たくさんの人に観て楽しんでもらえる作品になるよう、準備したいと思います!
 これから約半年、どうぞよろしくお願いいたします。

脚本・演出・美術:川口智子さんより

  演出家というのは不思議な仕事で、ひとりでは何もできないのですが、ひとりで考えごとをしている時間もけっこう長い。
 ミヒャエル・エンデの『モモ』を舞台化は長いこと私の頭の中にあった妄想で、かれこれ5~6年はそのイメージがありました。でも、舞台はひとりではできないから、このアイディアが誰かと出会うことで現実的な形になるのをずっと待っているんですね。
 そしてついに小田原のまちと小田原三の丸ホールと出会ったのが昨年。小学生と小田原の在住外国人の方々と7日間でお芝居をつくる2023年度版の『劇場留学』をきっかけに、形のないイメージだった『モモ』舞台化のエネルギーが一気に頭の外に引きずりだされた。少しずつ少しずつ形になろうと、最終的にはお客様に楽しんでいただく「時間」という形になるように、ついに動き出した。
 今年7月のおためしワークショップ、8月・9月の公募出演者のオーディションではたくさんの小田原市のみなさんと、小田原市に関わろうというみなさんと会う機会をいただいて、いよいよ小田原版・『モモ』のまちのイメージが私の頭から離れて形になってきた。みなさんとの出会いのエネルギーがこの作品を一気に立ち上げていくのを感じています。
 ひとりで見ていた妄想が、こうしてたくさんの人の「夢」として形作られていくことこそが、実は演劇の、劇場の一番の面白さであると思います。
 この出会いに感謝しながら、来年3月までの長く、短く、楽しく、険しく、かけがえのない6ヵ月を一緒に歩んでいきたいと思います。ブログ読者のみなさまにもブログの物語を通してこの道を一緒に旅していただけたら嬉しいです。
 

川口智子(脚本・演出・美術)

演出家。演劇、音楽、ダンス、映画、伝統芸能などジャンルを超えた創作や、海外のアーティストとの協働企画を展開。主な演出作品にコンテンポラリー・パンク・オペラ『4時48分精神崩壊』(作:サラ・ケイン、音楽:鈴木光介)。市民/公共ホールとの取り組みに「くにたちオペラ『あの町は今日もお祭り』(作:多和田葉子、作曲:平野一郎)、ミュージカル『回転木馬』(四日市市)、「劇場留学~お芝居をつくる7日間~」(小田原市)など多数。0歳からの小さな劇場『太陽のタネ』『海のツブ』や、『「エンデの遺言」を読む』などの「大人の読み聞かせ」をシリーズで手掛けるほか、まち中に劇場をつくって遊ぶ「ほころびオーケストラ」としても活動中。
川口智子WEBサイト


 12/21(土)10:00〜WEB・窓口予約開始!


「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」
◆モモ
[開催日時]2025年3月28日(土)13:00、29日(土)13:00/17:00、30日(日)13:00
[会場]小田原三の丸ホール 小ホール
[脚本・演出・美術]川口智子(演出家)
[振付・出演]木原浩太(ダンサー・振付家)
[出演]公募出演者 約25名、李そじん(俳優)、埜本幸良(俳優)

◆稽古期間
本読み  2024年11月
プレ稽古 2024年12月〜1月
稽古 2025年2月〜3月

公演詳細ページ


✏︎ 2023年「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」留学の記録はこちら! 
「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」ガイド役の映画監督・北川未来さんによる映像と、演劇事業のサポートスタッフの経験もあり斎藤明仁さん(大学院生)によるテキストによる記録です!
【劇場留学】8月21日(月) 留学1日目の記録【劇場留学】8月22日(火) 留学2日目の記録【劇場留学】8月23日(水) 留学3日目の記録【劇場留学】8月24日(木) 留学4日目の記録【劇場留学】8月25日(金) 留学5日目の記録【劇場留学】8月26日(土)留学6日目の記録【劇場留学】8月27日(日)留学7日目の記録

✏︎2023年「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」小田原でのしらべの記録 
<しらべの旅 1日目 日記 担当:川口智子さん>
【劇場留学】しらべの旅 1日目(1/3)【劇場留学】しらべの旅 1日目(2/3)【劇場留学】しらべの旅 1日目(3/3)
<しらべの旅 2日目 日記 担当:せせらぎさん>
【劇場留学】しらべの旅 2日目(1/2)【劇場留学】しらべの旅 2日目(2/2)
<しらべの旅 3日目 担当:川口智子さん>
【劇場留学】しらべの旅 3日目 (1/3)/【劇場留学】しらべの旅 3日目 (2/3) 【劇場留学】しらべの旅 3日目 (3/3)
<しらべの旅 4日目 担当:川口智子さん>
【劇場留学】しらべの旅 4日目 (1/2)【劇場留学】しらべの旅 4日目 (2/2)

 

ページトップ