【劇場留学】『モモ』と音楽の旅の記録 その4 稽古2

更新日:2026.3/7(土)

小田原三の丸ホールが、市民とプロのアーティストと一緒に劇場作品をつくる【劇場留学】シリーズ第三弾!
2025年3月に上演した「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」の上演から、大胆なリクリエイションで再びミヒャエル・エンデの『モモ』に挑戦します。

"旅の記録"その3では、雪の降る中の2回目の週末の稽古模様をお届けします。
劇場留学ではお馴染みとなった[楽屋ばなし]も必見!

留学日 2026年2月7日(土)
レポート 森田百合花(小田原三の丸ホール)

2月7日(土)

午前中はXYQ/384/bとフージーさんの場面の抜き稽古*です。
まずは、ウォーミングアップもかねて、バレーボールをしながらお互いに台詞の確認です(但し、ワンバウンドまでOKという特別ルール!)。
その後は、二人の場面をつくっていきます。
フージーさんは床屋さんなので、どのくらいの大きさのお店なのかも自分で決めてもらいます。
今回、フージーさん役はダブルキャストです。演じる人によって、尾倉ケントさん演じるXYQ/384/bがどうやってお店に入ってくるのか、動きやお芝居も変わってきます。
プロの俳優さんとお芝居できるとても貴重な場面でもあります。
稽古場は失敗しても大丈夫なところです。毎回同じことをするのではなく、毎回違うことをやってみるのが大切です。

*抜き稽古…あるシーンを抜き出して、稽古をすること。
午後は全員が集まり、吊り橋エチュードからスタート。
吊り橋(床に貼ったテープ)の両端から、吊り橋を渡りたい人が出会います。お互いにどうにかして相手を岸まで戻して、向こう側へ渡りたいという設定です。
どういう事情で吊り橋を渡りたいかは、自分で考えます。
自分の事情だけ言っても、渡ることはできないので、相手の話も聞いて、どうするかを考えないといけません。
最初は1対1で行いましたが、途中からは3対3などグループで実施しました。
グループ内では渡りたい理由だけしか決められないので、どのように展開していくかの瞬発力も試されます。
突拍子もない設定や、あっさり諦めてしまう人もいるので、見ているみんなも笑ってしまいます。
毎回、川口さんは見ている人たちに「いまのはどこが良かった?」と聞いてフィードバックをします。
即興でお芝居をして、そして見ることで、みんなにお芝居力が養われる稽古となりました。

“お芝居”の稽古をみっちりした後は、歌稽古です。
音楽家の鈴木光介さんと、音楽家・パフォーマーの高橋牧さんのグループに分かれ、これまでの復習と、まだまだ新しい曲もたくさんあるので、引き続き丁寧に音取りもしていきます。

お稽古場の片隅では、新しい曲の振付も行われていました。なんだかとても楽しそうな振付で、私もはやく見たい気持ちになりました。
 
この日は小田原では珍しく雪が降っていたので、少し早めに稽古を終わりにしました。

楽屋ばなし

楽屋ばなし

岡本英樹さん

――今回はどうして劇場留学に参加してみようと思ったんですか?
節目の歳だったので、ちょうどタイミングよく募集の案内を見て、やってみようと思いました。

――もともとお芝居をされていたんでしたっけ?
(小声で)昔です。40年以上前……。

――その後は合唱を?
合唱をときどきやってきました。

――「モモ」の稽古が始まって、どうですか?
めちゃくちゃ難しいです。めちゃくちゃ難しい。身体がついていかないし、頭と身体がついていかなくて、もう……!

――ヒデちゃんの台詞長いじゃない。でもボールパスして、ハイタッチして、台詞言う稽古のときも全然チートしていないというか、ぜんぶちゃんとやっているからすごいなと思って見ています。
もう本当に息が切れて動けなくなりそうなんですよ、本当。

――すみません(笑) 歌はどうですか?
歌は楽しいです。鈴木光介さんの音楽がものすごくよくて、どの曲も1回聞いただけで頭の中に残るような曲で素晴らしくて。だから大事に歌わなきゃいけないと思っています。

――ありがとうございます。
最後に観に来てくれるお客さんにメッセージをお願いします。

昔お芝居やっていた九州の友だちが来てくれるんです。冗談だと思っていたら、本当にチケット買ったと言っていて。はるばる観に来て、損したって!ってチケット叩きつけて帰らないように一生懸命がんばりますので、よろしくお願いします。

岡本英樹(おかもと・ひでき)

僕は普段は薬を作る会社で原料や材料を買いつける仕事をしています。
普段の生活と全く違う体験をしたくて応募しました。
使っていない部分の頭や身体がこわばっているのを痛感、自分を見直す事が出来ました。

 
撮影:竹田浩幸

楽屋ばなし

瀬戸貴彦さん

――せっちゃんは小田原出身なんだっけ?
南足柄市なので、ざっくり小田原あたり出身みたいな感じです。

――今回はなぜ劇場留学に参加してくれたんですか?
演劇に関わりやすいのは都内で、地元のほうはそういうの機会があまりないと感じていたんですが、面白そうな企画だなって思って参加しました。自分の中では”面白そう”と思えるかも大事なポイントでした。

――昨年度の劇場留学は気づいていなかったの?
去年は本番を観ていて、これは気になるな!って思いました。

――そうなんだ! じゃあ、今年も劇場留学があってよかったね(笑)
稽古は実際にやってみて、どうですか?

思っていた以上に真剣な言葉を投げかけてくださるというのもあるんですけど、留学っぽいなって思いました。安心できない環境で、お芝居の経験があっても自分から挑戦してつかんでいかないといけなくて、そういうところが海外にいるみたいな感じと繋がります。

――新しいカルチャーみたいな? いい意味での不安感や何が起きるか分からないみたいなこと?
そうですね。自分もいい意味で気を張らないと何もみつけられないし、考えないとやれないです。

――もともとけっこうお芝居をやってるんでよね? いままでやってきたお芝居の稽古の仕方と似ているなとか違うなとか、どうですか?
そうですね。
演出のされ方が割と現実に近いと感じていて、それってすごく価値があることだなって思っています。お芝居をする・演じるということは、現実からすごく遠かったりするから、こういう性質のお芝居の仕方や声の使い方、言葉の使い方みたいなのに触れさせてもらってます。
しかも僕一人だけではなく、ここにいるみんなと一緒にというのがすごくいいなって感じてます。


――最後に観に来てくれるお客さんにメッセージをお願いします。
小田原や地元で、よいものや元気な人たちを見つけにくいと思っていました。自分と同じように思っている人は、仲間を見つけに来てくれたら嬉しいです。

瀬戸貴彦(せと・たかひこ)

子供の頃、両親に連れられて小田原市民会館で舞台芸術に触れながら育ち、その後も舞台芸術との縁が続いてきた私は、大人になってからも、そうした物に触れ易いようにと都内を中心に生活して来ました。
『地元にも、演劇やダンス、歌や音楽が好きな人達がこんなに大勢いたのか!』と気が付いたのは、三の丸ホールが出来て活気づいたりして来た最近の事です。
劇場留学は、そんな自分と同じような気持ちを持っていた人達と出会う絶好の機会だと感じ、参加を決意しました。
ご一緒に楽しんで頂けたら嬉しいです!
 
撮影:竹田浩幸

チケット好評発売中!


「劇場留学〜『モモ』と音楽の旅〜」
「モモ」
開催日時:2026年3月27日(金)19:00、28日(土)14:00/18:00、30日(日)14:00
会場:小田原三の丸ホール 小ホール
脚本・演出・美術:川口智子
振付:木原浩太
音楽:鈴木光介
出演:尾倉ケント、栗原沙也加、木原浩太、高橋牧、公募出演者 約22名

公演詳細ページ


✏︎ 2023年「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」留学の記録はこちら! 
「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」ガイド役の映画監督・北川未来さんによる映像と、演劇事業のサポートスタッフの経験もあり斎藤明仁さん(大学院生)によるテキストによる記録です!
【劇場留学】8月21日(月) 留学1日目の記録【劇場留学】8月22日(火) 留学2日目の記録【劇場留学】8月23日(水) 留学3日目の記録【劇場留学】8月24日(木) 留学4日目の記録【劇場留学】8月25日(金) 留学5日目の記録【劇場留学】8月26日(土)留学6日目の記録【劇場留学】8月27日(日)留学7日目の記録

✏︎2023年「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」小田原でのしらべの記録 
<しらべの旅 1日目 日記 担当:川口智子さん>
【劇場留学】しらべの旅 1日目(1/3)【劇場留学】しらべの旅 1日目(2/3)【劇場留学】しらべの旅 1日目(3/3)
<しらべの旅 2日目 日記 担当:せせらぎさん>
【劇場留学】しらべの旅 2日目(1/2)【劇場留学】しらべの旅 2日目(2/2)
<しらべの旅 3日目 担当:川口智子さん>
【劇場留学】しらべの旅 3日目 (1/3)/【劇場留学】しらべの旅 3日目 (2/3) 【劇場留学】しらべの旅 3日目 (3/3)
<しらべの旅 4日目 担当:川口智子さん>
【劇場留学】しらべの旅 4日目 (1/2)【劇場留学】しらべの旅 4日目 (2/2)

 

ページトップ