【劇場留学】しらべの旅 2日目 ( 1/2 )

2023.7/25(火)

 2023年夏、劇場でしかできないスペシャルな体験を楽しんでもらおうと開催する「三の丸ホールの夏休み『劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜』」。公演に先駆け、この4月から断続的に小田原に来てワクワクを探している(らしい?!)アーティストによる旅の記録。4月の記録に続き、「しらべの旅 2日目」は大道芸人・せせらぎさんによるレポートをお贈りします。

旅人 川口智子(演出家/「劇場留学」ガイド役)
せせらぎ(大道芸人/「劇場留学」ガイド役)
北川未来(映画監督/「劇場留学」ガイド役)
森田百合花(小田原三の丸ホール スタッフ)
旅した日 2023年5月22日(月)
行き先 小田原漁港(早川漁港)、諏訪の原公園、大雄山最乗寺

旅人・旅の日記:せせらぎ

大道芸人。劇団ドクトペッパズ主宰。パペットやオブジェクトを使った子ども向けの作品を創作、上演する。演劇と大道芸の二足の草鞋の活動を継続している。
[公式Twitter] せせらぎ 公式Twitter


 

 前回は小田原城や郷土資料館、街かど博物館など、市街の中心から歩いていける範囲のリサーチだったので、今回は少し足を延ばそうと三の丸ホール制作の森田さんに車を出していただいた。zoom打ち合わせはしていたものの、同じくガイド役の映画監督・北川未来さんとも初めて対面した。
 
 リサーチというものは目的をハッキリともって計画的に行われるものもあるだろうけれど、今回はむしろその目的なるものを曖昧模糊とした中探すことが趣旨となるリサーチだった。ゆえに私達はなんとなく新宿駅に集合し、ロマンスカーでは寝る寝る言いながらなんとなく寝ずに話し込み、三の丸ホールについても何が今日起こるのか全く想像できぬまま車に乗り込んだ。ただ、森田さんは車の運転に慣れておらず、車内には一定の緊張感が通底していたのであった。

小田原漁港(早川漁港)

  三の丸ホールから10分ほどで到着。予想を超える観光客の車の数に駐車の心配があったが、スロープを上がった駐車場に無事停めることができた。海のにおいがした。

「海のにおいだ」

「いや、なにか海産物を焼いているニオイだ」

「浜焼きだ」

「浜焼きの定義ってなんですかね?」

「浜で焼くから浜焼きなんじゃない?」

「じゃあここは浜なんですか?」

「まあ……たぶん昔は……」

概ねこういった、あまりに他愛のない会話を積み重ねつつ、私達は魚市場食堂にてお昼ご飯を食べた。食堂内に、漁港ができる前の地図があった。以前この辺りには畑や埋め立てられたであろう、車川という早川の支流とおぼしき川があったのだと知る。

漁港

海鳥

  横に掲示してあった文章に「今、港を見てここに水車が廻り多くの家が建っていたことなど想像できますか。」と書かれてあった。想像できるか、できないのか。思ったよりも私達はこの街に問われている。そんな予感を感じつつ名物の小田原丼を味わった。

漁港内食堂の掲示物を見ながら昼食

海を観察



三の丸ホールの夏休み「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」
[開催日]2023年8月21日(月)〜 27日(日)
[会場]小ホール、スタジオ、小田原市観光交流センター、小田原のまち

「劇場留学」公演詳細ページ

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