【劇場留学】しらべの旅 4日目 (1/2)

2023.8/19(土)

 2023年夏、劇場でしかできないスペシャルな体験を楽しんでもらおうと開催する「三の丸ホールの夏休み『劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜』」(2023.8/21〜27)。今回「劇場留学」に参加する皆さんをガイドするのは、小田原を旅する5人のアーティストです。7月、旅の最後は<川口智子さん>が市外の真鶴町を経由して、江之浦測候所を訪れた模様をレポート!

旅人 川口智子(演出家/「劇場留学」ガイド役)
せせらぎ(大道芸人/「劇場留学」ガイド役)
北川未来(映画監督/「劇場留学」ガイド役)
森田百合花(小田原三の丸ホール スタッフ)
旅した日 2023年7月28日(金)
行き先 真鶴貴船まつり、麦焼処 麦踏、江之浦測候所、小田原三の丸ホール、スズアコーヒー

旅人・旅の日記:川口智子(かわぐち・ともこ)

演出家。演劇、ダンス、オペラなど、「劇場」が大好きなので劇場をつくる人。最近は、持ち運べる小さな劇場をつくって旅するのが趣味らしい。
[公式WEBサイト] https://www.tomococafe.com/

真鶴で貴船まつり

  今回は滞在場所が真鶴の方面だったので、ちょうど開催されるという貴船まつりに。拝見したのは<東西小早船(こばやぶね)の水浮け>。
 炎天下の中、水浮けを見守る人たちたくさん。豪華に飾られた船が海上渡御で左右にと大きく揺らされる姿、夜の海に提灯の光で照らされる姿も是非見てみたい。今年の<東西小早船の水浮け>は実に6年ぶりだったそうで、そんな貴重な機会に遭遇できて幸運でした。

麦焼処 麦踏

 次の目的地までの短い休憩で麦踏さん。とっても美味しかったです。ところてんも呼ばれたかった~。

江之浦測候所

  今回のリサーチの最後のスポットが杉本博司さんの江之浦測候所。ディレクターのホイル治子さんにご案内いただき、江之浦測候所の本当の完成は5000年後だというお話を聞く。その時にはトンネル(冬至光遥拝隧道)だけが残っているだろうと。トンネルを通りながら、いくつかの戯曲の言葉が頭をよぎる。エドワード・ボンドの『缶詰族』(「戦争戯曲集 第2部」)や野田秀樹の『赤鬼』。5000年後に人間のいた証はどのように残っているだろう。前日に小田原市郷土文化館の鈴木悟さんに聞いた小田原の先史時代のことも思い出される。それからスペースでみんなで話した「町に触る」という話も思い出される。
  絵を描くこと、壁に自分たちの生活を描くこと、それはできても、今の生活の中で「町に触る」ことがなかなかできない。それが難しい。わたしたちが今回の「劇場留学」で目指すのは、そんな町のとのミーティングポイントを探すこと。町の中に住んでいるから町と出会うことが難しいのか? 自分たちの町に少しでも触りたい。美しい海を見ているとそんなことがどうでもよくなったりする。でも、私たちは町に帰る。

三の丸ホールの夏休み「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」
[開催日]2023年8月21日(月)〜 27日(日)
[会場]小田原三の丸ホール 小ホール/スタジオ、小田原市観光交流センター、小田原のまち

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