【劇場留学】『モモ』と時間の旅の記録 その9 稽古5

更新日:2025.3/11(火)

 2025年3月末、ミヒャエル・エンデ「モモ」を公募出演者&プロの劇場スタッフと共に創作・上演する「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」。<旅の記録>9回目は、“バミリ”を行った稽古場で少しずつ劇の全容が見えてきた!? そんな模様をご紹介。

留学日 2025年2月22日(土)、23日(日)10:00〜18:00
参加者 ・<劇場留学生>公募出演者
・川口智子(演出家/「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」脚本・演出・美術)
・木原浩太(振付家・ダンサー/「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」振付・出演)
・李 そじん(俳優/「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」出演)
・埜本幸良(俳優/「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」出演)
・市民ホール事業係 スタッフ
レポート 2/22(土):杉山明恵(市民ホール事業係)
2/23(日):中野優人(市民ホール事業係)

2月22日(土)

 窓の景色に癒されるいつもの稽古場に戻ってきました。

 午前中、子どもたちは木原(浩太)さん指導のもと稽古。大人は、3人のキャストの抜き稽古*をしました。午後は、川口(智子)さんによる劇場についての講義と、本番がどんな舞台になるのか、模型を使った説明がありました。
今日からいよいよ「バミリ**」をした立稽古がスタート! 実際の舞台の大きさで各シーンの稽古をします。稽古の途中、子どもたちの衣裳フィッティングも。
 意識することが増えたからなのか、今日は特に集中して稽古しているように見え、緊張感と成長を感じ、思わず泣きそうになりました。

*抜き稽古=あるシーンを抜き出して、稽古をすること。
**バミリ=稽古場などの美術が立て込まれていない空間に、舞台のサイズや美術の位置などの印をつけること
 

2月23日(日)

 午前中は大人キャスト3人と抜き稽古を行いました。
(李)そじんさんと(埜本)幸良さんは、木原(浩太)さんとダンスシーンの細かい部分を確認します。

 午後からは、一幕から三幕までの通し稽古***を行いました。
昨日から設置されている本番の舞台面と同じ大きさの“バミリ”のおかげで、イメージが膨らみやすくなったのではないでしょうか。
 小道具を使った稽古も始まり、本番がすぐそこまで迫ってきていることを意識する日々です。

***通し稽古=幕開きから幕切れまで、通して稽古をすること

楽屋ばなし⑤

今回からは昨年度の【楽屋ばなし】に引き続き、26名の公募出演者の自己紹介と共に、稽古が終わる毎に2~3名にお聞きした感想をピックアップしてご紹介していきます!

楽屋ばなし<5回目>

中村 舜さん

 1回目の劇場留学(2023年8月「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」)は面白そうだからやってみようかなっていうくらいの動機だったんですが、やってみたら意外と性に合って、やるのが楽しくて。(劇場留学)第2弾もできたらいいなって思いながら過ごしてたいたら、本当にやるんだ!と。オーディションを受けるのも大変だろうなってわかっていたけど、興味があって気になったから、やってみようと思いました。
 第2弾(今回の「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜 モモ」)は台詞もちゃんとあって、“演劇”って感じがして、演劇を楽しめている感じです! 他の人の台詞も全部覚えようとしたわけじゃないけど、文章を読むのが好きだし、台本も何度も読んでいて、登場人物のことを考えて読む癖があるから、そういうのもあって、(物語が記憶の中に)染み込んでいるんだと思います。
 子どもや大人、色々な小田原の人が交わって、大変な思いもあるけど、みんなで頑張ってつくっている作品なので、ぜひ観てください!

公募出演者 中村 舜(なかむら・しゅん)

 私は俳優になりたいと思っていて前回(2023年)の「劇場留学」に参加して、2回目が始まると聞いたので今回はオーディションを受けて参加しました。私は「モモ」を本で読んで感動したこともあるので「モモ」をやりたいと思いました。劇場の稽古というと、ものすごく大変だと思いますが「劇場留学」は遊びながら稽古をする時があるためすごく楽しいです。みなさんも町の人たちがつくった劇場を見てくれると嬉しいです。
撮影:ムービー&フォトスタジオ Every Moment

楽屋ばなし<5回目>

山森美緒さん

 ミヒャエル・エンデの作品のメルヘンなところファンタジーなところが好きで、児童文学だけではなく、大人向けの「鏡の中の鏡」とかも面白くて、子どもの頃にもすごく読んでいました。
 大人になってあらためて思うのは、「モモ」をジブリにアニメ化してほしいです! マイスター・ホラの見た目がおじいさんや若者になったり、年齢が変わったりするところが面白くて好きなんですが、そこが映像化されていないのがもったいないなと思っていて、見てみたいです。
 稽古は楽しいです! 目の前で話がだんだん完成していくところが、観ていても感動しています。
ちゃんとした舞台に立つのは初めてですが、頑張るので、ぜひ観にきてください!

公募出演者 山森美緒(やまもり・みお)

 南足柄市に住んでいる山森美緒(25)です。
 普段は地元の会社でパートの事務員として働きつつ、ピアノ調律師を目指してスクールに通っています。趣味はピアノと漫画です。
 「モモ」は小学校3年生のとき、初めて読んだ私の大好きなお話です。
母と三の丸ホールのコンサートに行ったとき、挟み込みに「モモ」出演者募集のチラシがあり、演劇にも興味があったので、絶対参加したい! と思い応募しました。叶うなら、9歳の自分に、未来で「モモ」の演劇に出演することを教えてあげたいです。きっと飛び上がって喜ぶことでしょう。
撮影:ムービー&フォトスタジオ Every Moment

楽屋ばなし<5回目>

降井サットウさん

 小田原歴は3年ほどですが、東北の山と海と川が近い田舎の出身なので、同じような環境で落ち着くし、過ごしやすいです。
 自分でもチーム(テンナイン)を組んでパフォーマンスをやっていますが、活動は東京が中心で去年から小田原でやり始めたばかりなので、今回は小田原で芝居をやりたくて応募しました。
 稽古は楽しいですね、って言いたいです……! 最初はいろんな人がいて魅力的で新鮮で楽しかったんですけど、つくっていくとだんだん苦しい部分も出てくる。今はちょうどその時期。ただ、それをクリアすれば快感が生まれて、またプレッシャーも出てくるという上がり下がりがあるのを分かっているので!
 マイムダンスのようなことはやったことがあるのですが、今回のようなダンスは新鮮です。ちょっと似ているなと思う部分もあるので、なんとか自分の身体性を活かしていけないかなと思いながらやっています。
 この世界で上演されたことのない「モモ」が観られますので、ぜひ”刮目”してみてください!

公募出演者 降井サットウ(ふるい・さっとう)

 シネマイム作家・パフォーマー・俳優・演出家・ジブリごっこマニア。
映画の名シーンを身体だけで再現する「シネマイム」を製作・上演。
デザインフェスタなどのアートフェス・マルシェへの出演のほか自主ライブも開催する
近年では小田原での活動に力を入れBLEND(国府津)などて上演。
2025年よリアクトパフォーマンスワークショップを開始。
「自分の身体を知る・使う」「映画を演じる楽しさ」を広げている。
【テンナイン 公式WEBサイト】https://www.tennine.Info
撮影:ムービー&フォトスタジオ Every Moment

\ WEB・窓口予約受付中 /


「劇場留学〜『モモ』と時間の旅〜」
◆モモ
[開催日時]2025年3月28日(土)19:00★、29日(土)13:00/17:00、30日(日)13:00
[会場]小田原三の丸ホール 小ホール
[脚本・演出・美術]川口智子(演出家)
[振付・出演]木原浩太(ダンサー・振付家)
[出演]公募出演者 26名、李そじん(俳優)、埜本幸良(俳優)

◆稽古期間
本読み  2024年11月
プレ稽古 2024年12月〜1月
稽古 2025年2月〜3月

公演詳細ページ


✏︎ 2023年「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」留学の記録はこちら! 
「劇場留学〜お芝居をつくる7日間〜」ガイド役の映画監督・北川未来さんによる映像と、演劇事業のサポートスタッフの経験もあり斎藤明仁さん(大学院生)によるテキストによる記録です!
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