小田原三の丸ホールについて
運営理念
人と人を結ぶ、小田原と世界を結ぶ。
人と人との出会いが全ての始まりです。
すべてのものは、出会うことから始まります。だから、人と会うことや、人と会う場所、人と会っている時間が、とても大切です。誰かと会って、その人と自分とのあいだに「関係」が生まれて、結ばれる。人生において行き交う大勢の人の中で、結ばれていく特別な縁。
人と人との結びつきで大切なのは、お金でもないし、知識や教養でもありません。大切なのは、感性や感覚です。その感性や感覚を育むのには、本を読んだり、音楽を聴いたり、演劇を観たり、歌ったり、踊ったり、絵を描いたり、楽器を演奏したりすることが役立つのではないでしょうか。
小田原三の丸ホールは、そういうことが起こる、とびっきりの居心地の良い場所にあることを目指しています。
なんの用事がなくても、なんとなく足が向いてしまう。そんな劇場になりたい。
好きな時に来て、好きな場所で、好きに過ごして、飽きたら帰っていく。しかも、居心地がよい。もちろん、そういうわけにはいかない部屋もあるけれど、施設の一角には自分だけのスペースが見つかると思います。
自分の居場所を見つけて、ちょくちょく足を運んでくだされば、思わぬ出来事や、素敵な人と巡り会えるかもしれません。こんな楽しいことがあるの?と感じていただけるような機会を、たくさん作っていきます。
概要
小田原市民ホール(愛称:小田原三の丸ホール)は、小田原駅から徒歩13分、この土地を象徴する小田原城を臨む恵まれた立地に、令和3(2021)年9月5日に開館いたしました。同年7月に59年間多くの市民に親しまれつつ閉館した小田原市民会館の歴史を受け継ぐ、新しい文化・芸術拠点です。
運営にあたっては、令和2(2020)年4月に策定された<小田原市文化のまちづくり条例>に基づき、隣接する小田原市観光交流センターをはじめとした近隣施設等と積極的に連携いたします。豊かな自然や長く受け継がれてきた伝統に彩られた小田原市を、より身近に感じていただけるよう、市民の皆さんの声をいただきながら、楽しく魅力溢れる場づくりを行って参ります。
組織説明
小田原市文化部文化政策課 小田原市民ホール
- 館長(1名)
市民ホール管理係 | 副課長(1名) | 業務内容:予算・施設管理業務、庶務業務 |
---|---|---|
係員(1名) | ||
市民ホール事業係 | 係長(1名) | 業務内容:貸館業務、実行委員会事務局、広報業務 |
担当監(1名) | ||
係員(8名) |
外部委託
舞台管理業務、総合案内業務、清掃業務、警備業務
沿革
平成28(2016)年11月 | 市民ホールの整備方針を発表。 当面の呼称を市民ホールとし、建設費用63億円程度、大ホール(客席1000席以上)、小ホール(段床式可動席)、諸室を事業提案(設計・施工一括発注方式)で整備する。 |
---|---|
平成28(2016)年12月 | 市民ホール整備方針にかかる市民説明会を開催(133名参加) |
平成29(2017)年5月 | 市民ホール整備推進委員会第1回会議を開催 ※その後随時実施 |
平成29(2017)年6月 | 市民ホール整備事業要求水準書(案)の公表 |
平成29(2017)年6月 | 市民ホール整備にかかる市民説明会(86名参加) |
平成29(2017)年7月 | 市民ホール公募型プロポーザル募集を開始 |
平成29(2017)年9月 | 市民ホール公募型プロポーザル公開プレゼンテーション及び1次審査 4者から3者に選定 |
平成29(2017)年12月 | 市民ホール公募型プロポーザル公開プレゼンテーション及び2次審査 優先交渉権者:鹿島建設・環境デザイン研究所共同事業体 次点:梓建設・小泉アトリエ・佐藤工業共同事業体 |
平成30(2018)年1月 | 市民ホール整備事業に関する事業協定を締結 市民ホール整備事業第I期契約(設計契約)を締結 |
平成30(2018)年2月 | 市民ホール整備事業の優先交渉権者の提案内容に係る市民説明会(84名参加) |
平成30(2018)年7月 | 市民ホール市民説明会及び現場見学会(36名参加) |
平成31(2019)年1月 | 市民ホール実施設計完成 |
平成31(2019)年2月 | 市民ホール整備事業第II期契約(工事契約)を締結 |
平成31(2019)年3月 | 市民ホール市民説明会及び現場見学会(42名参加) |
平成31(2019)年4月 | 市民ホール起工式 |
令和元(2019)年8月 | 市民ホール大ホール緞帳デザイン原画決定(市内在住日本画家:芳澤一夫氏) 市民ホール大ホール緞帳寄贈(古川達高氏) |
令和元(2019)年10月 | 市民ホール条例等の制定について、パブリックコメントなどを実施 |
令和2(2020)年3月 | 市民ホール条例可決 |
令和2(2020)年8月 | 市民ホール愛称「小田原三の丸ホール」に決定(最優秀賞:山上正昭氏) |
令和2(2020)年10月 | 市民ホールシンボルマーク完成(小田原書道連盟 副会長:永井香峰氏) |
令和3(2021)年1月 | 市民ホール条例に基づく申請に対する処分の審査基準及び不利益処分の処分基準位ついてパブリックコメントを実施 |
令和3(2021)年3月末 | 市民ホール竣工 |
令和3(2021)年9月5日 | 開館 |
建物概要
敷地面積 | 9,820.25m2 |
---|---|
延床面積 | 8,909.09m2(ホール部分 8,466.48m2 観光交流センター 442.6m2) |
階数 | 地下1階 地上4階 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造 |
建築高さ | 29.76m |
施設構成 | 大ホール、小ホール、展示室、ギャラリー回廊、スタジオ、練習室、交流系機能諸室(オープンロビー、情報コーナー、休憩スペース、キッズコーナー 他)、管理系機能諸室(管理事務室、スタッフルーム、多目的室 他) |
設計/施工 | 設計・監理:株式会社 環境デザイン研究所 施工:鹿島建設株式会社 舞台機構:三精テクノロジーズ株式会社 舞台照明:丸茂電機株式会社 舞台音響:ヤマハサウンドシステム株式会社 |
愛称「小田原三の丸ホール」について
皆さんに親しまれ多くの人が集う施設になるよう、小田原らしく親しみやすい愛称を募集し、439件の応募がありました。
応募作品の中から、審査の結果、愛称は「小田原三の丸ホール」に決定しました。愛称の由来は、小田原市は城下町として栄え、今回の市民ホールの建物は、その小田原城三の丸に位置することから。
最優秀作品 | 山上正昭(市内在住) |
---|---|
募集期間 | 令和2年4月1日~5月15日 |
募集方法 | 郵送、ファクス、市役所応募箱 |
結果 | 439件(176名) |
設計者・仙田 満 メッセージ
小田原三の丸ホールは、小田原城を中心としたまちづくりの拠点として、お堀端通りと国道一号をつなぐ東西道路を挟み、劇場とにぎわい廊により構成されています。劇場の1階 オープンロビーはお堀端通りに接し、まちと展示スペースが一体化しています。劇場の2、3階ホワイエより見る小田原城の景観は特別に素晴らしいものです。また、大ホールは舞台の近さと音響の良さが来場者を魅了することでしょう。舞台創造回廊は楽屋、練習場や小ホールと共有され、市民と共に多様な舞台をつくり上げられる場になります。
大ホールと小ホールをつなぐ1、2階のギャラリー回廊では、市民の芸術文化活動の成果がいつも掲げられることを想定しています。にぎわい廊(小田原市観光交流センター)はお城と劇場をつなぐ外部のにぎわい空間であり、カフェと観光案内所と階段状のテラスから噴水やイベントを楽しめます。
新たな小田原の文化シーンが多くの人々の心に刻まれることを期待して、設計いたしました。
仙田 満 SENDA MITSURU
1941年横浜生まれ。1964年東京工業大学卒。工学博士。
菊竹清訓建築設計事務所を経て、1968年環境デザイン研究所を設立。琉球大学・名古屋工業大学・東京工業大学・放送大学教授、日本建築学会会長、日本建築家協会会長、日本学術会議会員(第20・21期)、こども環境学会会長を歴任。
現在、東京工業大学名誉教授、こども環境学会代表理事。
代表作品は東京辰巳国際水泳場、国際教養大学図書館棟、広島市民球場(マツダスタジアム)、軽井沢風越学園等。小田原市では鈴廣かまぼこ博物館も設計・監理を担当。
著書に「子どもとあそび」(岩波新書)、「SENDA MAN 1000」(美術出版社)、「人が集まる建築」(講談社)、「こどもを育む環境 蝕む環境」(朝日新聞出版)、「遊環構造デザイン」(左右社)等。
受賞では毎日デザイン賞、日本建築学会作品賞、IAA(国際建築アカデミー)グランプリ、アルカシア建築賞ゴールドメダル、村野藤吾賞、日本建築学会大賞等。
シンボルマーク・ロゴマークについて
シンボルマーク
運営理念である<人と人を結ぶ、小田原と世界を結ぶ>より、「結(ゆい)」の文字の歴史的な書体と、愛称である<小田原三の丸ホール>にある3つの丸を取り入れた、デザインになっています。
ロゴマーク
シンボルマークでデザインされた3つの丸に3つの色<芸術=創作意欲や情熱を感じさせる赤色><歴史=伝統的な色彩を連想する金色><新しいコミュニティの創造=小田原市の色である青色>が配されています。
また、筆字とのバランスをとった和文/ローマ字両方のロゴタイプ(文字を図案化したもの)をオリジナルで制作し、小田原の新しい文化・芸術拠点になることを表現しました。
寄贈のご紹介
1. 緞帳
緞帳デザインの原画を公募し、選考の結果、次のとおりデザイン原画を決定いたしました。その後京都の工場にて職人の手で作成され、2021年3月に大ホールに寄贈されました。
デザイン | 芳澤一夫(市内在住 日本画家) |
---|---|
制作 | 川島織物セルコン |
寄贈 | 古川達高 |
デザインについて
色彩は小田原の明るい未来、四季・自然を表し、海・山・川・空・風などを表現。無数の丸円は、街の中で様々な生活、活動をする市民、また、海外から来日する各国の人々をイメージしました。
デザインの特徴
- 特定の演目を意識させない、多目的ホールに相応しい抽象性
- 正面からだけでなく、どの方向の席からも観られることを意識
- 原画の忠実な再現よりも、織の特性を活かせるデザイン
デザインの選考について
22作品の応募があり、市民ホール設計者を中心に審査を実施。1次選考で6作品を選定。さらに2次選考で最優秀作品を1点を選定し、緞帳デザイン原画を決定しました。
2. 大ホールホワイエ絵画<共感>
2020年9月より、さがみ信用金庫の声かけで認定NPO法人アール・ド・ヴィーヴルが制作を開始。<共感>をテーマに、約20名のアール・ド・ヴィーヴルのメンバーが協力して9枚の絵を完成させ、大ホールのホワイエに相応しい空間になるよう、設計者の仙田 満さん、アートディレクターの中津川浩章さんらが3枚を選んだものです。小田原の豊かな自然や人の交流を想像させられる作品は、大ホールの利用のない時には、どなたでもご覧いただけます。
制作 | 認定NPO法人アール・ド・ヴィーヴル |
---|---|
ディレクション | 中津川浩章 |
寄贈 | さがみ信用金庫 |
3. 2本のヤマボウシ
100年以上の樹齢で優しい色の花を咲かせるヤマボウシ2本が、未来を担う子どもたちの健やかな成長を育む場になることを願って石碑と共に寄贈されました。お堀端通りの入り口に優しく佇み、お客様を出迎えます。
寄贈 | 小田原ライオンズクラブ |
---|
ヤマボウシについて
花が咲くのは初夏、6月~7月頃です。春が過ぎ、濃いグリーンの葉が出揃った頃に、高木の上の方の枝に白やピンクの花を咲かせ、その後実をつけます。
4. 小ホール ホワイエ アートワーク
「千年物語 - 小田原の木」
小田原市内 露木木工所の代表・露木清勝さんの声かけにより集った、小田原や箱根町で制作を行う木工作家の有志の方々による、木の温もりを感じられるレリーフです。各作家の皆さんの個性溢れる作品が一堂に会し、一つの作品として見られるのは、市内でもここ小田原三の丸ホール 小ホールのホワイエだけです。寄木、轆轤(ろくろ)、象嵌(ぞうがん)、漆、指物(さしもの)など、趣向を凝らした表現をお楽しみください。
制作 | 小田原・箱根在住の木工作家9名
|
---|---|
世話役 | 芹澤 毅、高木大輔、鈴木伸幸、相田秀和、高久和也、星 貴之 |
監修 | 芳澤一夫、露木清勝 |
寄贈 | 株式会社ういろう 株式会社エスアールシー 小田原ガス株式会社 株式会社小田原百貨店 鈴廣かまぼこ株式会社 株式会社東海ビルメンテナス 一般財団法人八三財団 ヒューマンズ・ネット株式会社 万葉倶楽部株式会社 有限会社みのさんファーム 株式会社ロハス |